2012年10月29日月曜日

劇場版魔法少女まどか☆マギカ総集編 前後編2


☆テレビ版と劇場版の違い

基本的に劇場版はテレビ版とほとんど同じ。ストーリーはもちろんセリフもだいたい一緒。
ただテレビ放映の反響を参考にしてか、ミスリードを防ぐために説明的なセリフが増えていたり、いくつかのシーンをバッサリ切ることでより焦点を絞った作りになったりしていた。
またセリフがほとんど同じながら収録は新たにしたらしく、声優の演技が随分変わっていた。
同じセリフが読み方でこうも印象変わるなんて、お芝居ってすごいね!
テレビ収録時は最新の台本しか手元になく、動画も未完成の状態で録るけれども、劇場版の場合は声優の方々も結末を知っている状態で録るから、演技が変わるのも当然かもしれない。
概ねテレビの演技は淡々としていて、映画は感情的な印象。テレビの方が良い、映画の方が良い、と思う部分はそれぞれあるけれど、全体的には甲乙つけ難い。

で、それを踏まえてテレビ第十話に該当する部分が録り直しではなくテレビ放映時そのままというのが心にくい。第十話は私も大好きで、そこだけ何度も見返してしまうほどなんだが、製作者自身も「あれ以上の芝居はできない」という判断から録り直さなかったんだろうな。「あれ以上の芝居はできない」と思える芝居ができるって奇跡的だと思う。

以下印象に残ったものをダラダラ挙げていく。テレビを見た人にはネタバレで、見てない人には意味不明。

・冒頭のワルプルカット
冒頭のワルプルが丸々カットで、鹿目家の平和な朝から始まっていた。
確かにテレビと違って映画では、来週も見てもらうために奇をてらった演出をする必要は無いんだが、あれは後半の重要な伏線にもなっているのでちょっと残念だった。
が、第十話に当たる部分まで来たときにやっとわかった。
テレビでは第十話のあのシーンで「なるほど、第一話の冒頭はそういう意味があったのか」と伏線回収の印象の方が強かったんだよね。
それが冒頭をカットすることによって、あのシーンのほむらの想いをより強調するという効果が生まれていた。ここまで頑張ったのに最後の最後で出し抜かれたという彼女の無念がダイレクトに響いてきて涙腺決壊。
あとまどかの「昨夜夢の中で会ったような?」の意味も変わるね。単に冒頭の夢をさすのではなく、もっと混み入った伏線になっている。

・マミさんがパワーアップ
魔法少女の変身シーンは全員テレビと違っていたんだが、中でもマミさんの演出がすごかった。
ちょいちょい顔や体のデッサンが狂っていたところも修正されており、さらに表情がテレビ以上に生き生きして愛らしくなってた。
マミ「今日という今日は速攻で片付けるわよ」まどか「そんな……」
のシーンでは、テレビでは「そんな……(困惑)」だったのが「そんな……(笑)」になってて、マミさんのおどけた雰囲気がわかりやすかった。

映画ではマミさんが契約理由を語るシーンをカットしていた。なくてもまあいいんだけど、あんなに仲間を欲しがっているマミさんがそれでもなぜ後輩達に熟考させようとするのかの説明がなくなってしまったのは残念。映画では魔法少女5人の中でマミさんだけ契約理由がわからなくなってる。
あとその続きのさやかに釘を刺すところもなくなっていた。
「あなたはその人の夢を叶えたいの?それともその人の恩人になりたいの?同じようでも全然違うことよ、これ。」
というセリフが印象深かったのでちょっと残念。やみくもに勧誘しているわけじゃない、マミさんの人柄が立体的になるいいシーンだし、のちのさやかの伏線にもなってるんだけどな。

・マミさんのSGのサイズが普通。

・みんながよく寄るおしゃれカフェが映画ではフードコートになっていて、年相応というか財布相応になってたww

・頭部のSGが砕けるシーンが追加されてわかりやすくなってた。

・シャルロッテの爆弾が盛りすぎでワロタwwほむら容赦ねぇww

・エリーに引き裂かれる時のまどかの悲鳴がカットされていたような?あれ好きだったんだけどな。

・シャルロッテ戦でのほむらをさやかが誤解しているシーンがカットされていたので、ほむらへの敵意や他の魔法少女をGS目当てだと断じるのが少し唐突な感じがした。

・さやかはあんまり素質がなくて、まどかはべらぼうな素質を秘めているというシーンがカットされていたので、第八話の雨宿り中のさやかとまどかの会話が少し唐突な感じがした。

・第九話冒頭のさやかの悲鳴がカットされていた。これだけはなんでカットしたのかわからない。時短にもなっていないし。あの叫び声が悲痛で残酷で、物語には必要不可欠だと思うんだけどな。

・テレビでも背景などにさやかと杏子の伏線がちょいちょい挟まっていたんだが、映画の第九話の部分には感動した。
杏子とまどかの会話シーンなんだけど、引きのカットで店の看板らしき人魚とユニコーンのレリーフ(?魔女の宅急便みたいな、鉄製の丸いアレ)が見切れていて、それがオクタヴィア戦の伏線であることに気付いた時は鳥肌が立った。
テレビでもあったっけ?あったとしても、映画ではそれがよりわかりやすく強調されていたと思う。

・杏子の演技はテレビと映画で随分違っていた。物語の中で印象が大きく変化するキャラだけれども、映画の方が統一感があった気がする。変化するけどブレてない感じ。
あと第九話は追加シーンも多く、杏子の想いの変遷や行動の意図がよりわかりやすくなっていたと思う。
「足手まといを連れたまま戦わない主義だろ」
も、セリフは同じなのに全然違っていた。映画の方がほむらのためらいも表現できていて好きだな。

・第十話のオクタヴィア戦開幕がIt's Show Time!って感じで派手になった。

・映画の方がイヤミったらしくなってたwwセリフはテレビと同じなのに
「なるほどね。原因は『君に』あったんだ。正しくは君の魔法の『副作用』と言うべきかな。」
と『君に』『副作用』にアクセントが置かれていて、憎たらしさ倍増。

・まどかの選択は理解するのが難しいんだけれども、彼女の意図は後のさやかとの会話である程度説明されてる。そこがテレビではかなり抽象的な物言いだったのを、映画では言葉を足してより具体的に説明していた。それでもわかりにくいけどねー。

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