2012年10月28日日曜日

劇場版魔法少女まどか☆マギカ総集編 前後編1


上映中なのでネタバレなし、ありに分けてダラダラ感想書く。

☆全体的な感想(ネタバレなし)

一言で言えば素晴らしかった。
ここ最近観た映画の中ではダントツの作品だと思う。
深夜放送のオタク御用達アニメ、というイメージが強いけれども、誰でも楽しめる質の高いエンターテイメント。
アニメ映画はディズニーとジブリくらいしか観ない、という人にこそお勧めしたい。
絵柄やタイトルで敬遠するのはもったいない。

ただ、思春期未満の小さなおともだちには難しいかもしれない。
でもそれはテレビで取り沙汰されているように、残酷なシーンがあるからではない。
残酷といっても観客の劣情を煽るような見せ方をしているわけではないし、必要最低限の描写にとどめているので、むしろ品があると思う。
「カリオストロ」で悪い奴が時計に挟まれるとか、「もののけ姫」で侍の腕の切断面があらわに描かれているとか、その程度。

私が子どもに受けないと思う理由は、まず色彩が渋いから。
私の時代ではセーラームーン、今ではプリキュアなどに当たるだろうか、いわゆる魔法少女モノはキャラのイメージカラーが原色に近いんだよね。たぶんそういうはっきりした色合いが子どもの視覚に訴えて、楽しい気持ちにさせるんじゃないかと思うんだ。
でも「まどか☆マギカ」は、例えば赤系のキャラはワインレッド、黄系のキャラはベージュや茶色、というように配色がオトナな感じなんだ。そこが私にとっては好ましいんだが、子どもは飽きちゃうかもしれない。

それから「まどか☆マギカ」は魔法少女モノの典型を逆手に取った構造なので、「魔法少女モノの典型」を踏まえていない子どもにはまだ早いと思う。「まどか☆マギカ」を先に見ちゃうと、他の魔法少女モノを素直に見られなくなると言うか、どんなしっぺ返しがあるんだろうとハラハラしながら見ていたが最後まで何もなかったみたいな、そういう見方になっちゃうと思うんだよね。それはもったいない。子どもは子ども向けの作品を充分楽しんでから大人向けの作品に触れるべき。
同様に「正義は善」「嘘をつくことは悪」「逃げることは無様」をすり込む前に、正義を口実にしたエゴとか、嘘も方便だとか、時には逃げることが一番賢い選択だとか、そういう話を見てもピンと来ないんじゃないかな。まあ子どもだってわからないなりに受け取れる部分を受けとって楽しめるだろうけどさ。

5時間強のテレビアニメを前後編あわせて5時間弱の映画にしたということで、内容はテレビ版とほとんど同じ。
でもグラフィックや音響が全然違うので、空間の広がりや立体感がすごかった。
単に「テレビ番組を映画館で観た」ではなく、映画館で観る価値がある。

でも「まどか☆マギカ」で一番感動するのは声優の演技だね。ストーリーは知っているし、シーンによってはセリフもほぼ覚えているのに、それでも泣かされる。感動系映画ではもれなく泣く私だが、嗚咽が漏れそうになるくらい本気で泣いたのは「ET」以来だ。

もちろんストーリーの良さは言うに及ばず。構造的というか、計画的というか、約5時間という上映時間を過不足無く使い切った感じ。すごく構成が練られていて気持ちがいい。

そういうわけで、「まどか☆マギカ」オススメです。

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